補整下着とは、中世ヨーロッパの貴婦人が、ドレスを美しく着こなす必須アイテムだった。補整下着とは正に「体型の不足部分を補ったり、余分な部分を整える下着」ですから、女性の理想的なプロポーション設計に必要な感性と、高度な技術が秘められたクオリティの高い下着なのです。
あるデータによると90%以上の女性は何らかの補整機能つき下着を購入しています。ほとんどの人が「ガードル」といえば、そのご本人が購入して体感しているガードルをイメージするので、十人十色のガードルの発想になります。名前や見た目にはすべてガードルなのですが、比較(着用)してみるとこんなにも違うのだろうかと驚いてしまいます。
一般的に「補整下着」と聞くだけですごく悪いイメージがします。いつ、どこからこんな良くないイメージが始まったのでしょうか?
日本の下着文化が約30年で急速に進化する中で、アウターが先行したことは以前にも記載しました。戦後の急速な発展は、外見(アウター)はすごく綺麗にしたのですが中身(インナー)は見えないものとしてあまりお洒落でない(お金をかけない)時代がありました。もしかすると、現代でもインナーに対する偏見はここに存在するのかも知れません。
発展と共に物があふれ、いろいろな色と形をしたインナーウェアが数多くなると、価格の競争、販売方法の多様化により、マルチマーケティングの商材となり、美しくありたいと願う女性の心理も手伝ってか急激に売れました。中には金儲けの商材として粗悪な商品も出回っているそうです。
こうした粗悪な商品は、いわゆる「高い・きつい・苦しい」の代名詞となったのです。この30年間の背景には「悪いイメージ」を育む土壌が備わっていました。
日進月歩で原糸は進化しています。以前より下着は、肌触りと吸汗性で「綿素材」の製品が好まれてきましたが、化学繊維の進化によりアウターでもインナーでも数年前の製品と比較すると、肌で進化の現状を痛感します。以前の製品より軽くて暖かいとか動きやすい、ジーンズなのに伸縮するなど、今までとは違った心地よさに驚きます。
2004年頃だったでしょうか(?)NHKの「ためしてガッテン」という番組で下着の放送していたことを今でもよく記憶しています。内容は、室内の事務的軽作業で汗をかかない人は綿素材の下着がよく、屋外の仕事で汗をかく人は化学繊維素材の下着が有効的であることの立証でした。
要するに、「綿素材の下着は汗を吸収する能力にたけているが、汗を吸収するとベトベトすると共に体を冷やす」「一方化学繊維素材の下着は汗を吸収する力が弱いが、放湿性の機能があるのでベトつき感はなく体も冷やさない」ということの立証でした。
ガッテン ガッテン ガッテン。
さて、綿と同等の吸汗性をもつ化学繊維が存在することを皆さんはご存知でしたか。東レの「キュープアクア」という糸がその糸なのです。いろいろな下着が存在しますが、着用したときに必ず違いが現れます。原糸を選び抜いて使用する意味はこんな所に潜んでいるのです。
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