■蜂蜜はどのようにして作られていますか?
一般にミツバチが採集した花の蜜が蜂蜜であると考えられがちですが、花の蜜が巣の中で加工、貯蔵されたものが蜂蜜です。花の蜜と蜂蜜両者の性質には物理的、化学的な違いがあり花の蜜は蜂蜜よりも糖濃度が低いのです。
一般に花の蜜の糖度はミツバチが採集した段階で40%未満であるが、巣に持ち帰られた後で水分の発散が行われる結果、蜂蜜の糖度は80%前後に上昇します。また、水分発散のための作業の一つとして、ミツバチは巣の中で口器を使って蜜を膜状に引き延ばします。この時ミツバチの唾液に含まれる酵素が蜜に混入し、その作用によって蜜の中のスクロースがブドウ糖と果糖に分解されます。
ミツバチの口器を通してはこの他に、本来花の蜜には含まれない物質が混入する。一例としてコリンが挙げられる。コリンはミツバチの咽頭腺から分泌されるローヤルゼリーに含まれる物質であり、ミツバチが花の蜜の水分の発散と並行して同じく口器を用いて咽頭腺から分泌されたローヤルゼリーを女王蜂の幼虫に与える作業を行うため、ローヤルゼリー中のコリンが蜂蜜に混入すると考えられています。
|